<納得と安心と信頼>が通い合う “ありがとうが行き交う医療® をみんなで創る

JaMITC | 一般社団法人 日本医療面接訓練評価センター

JaMITAC®式 総合的医療面接訓練 7つの力 : 訓練プログラム実施例

今後益々必要かつ重要になる 「オンライン総合的医療面接シミュレーション教育研修」

◆学生さんからベテランの先生まで、それぞれの専門性・レベルに応じて、様々なテーマで、トレーニングプログラムをデザインするためには、常にアップツーデートして、先生方の最新の課題とニーズを肌で感じる必要がありますので、可能な限り、様々な学会の末席で学ばせていただいております。
◆その学会も今はまさに、ハイブリッド・オンデマンドの時代で、勉強の機会が増えまして、大変嬉しく思っております。もう戻れませんので、「ピンチをチャンスに!」 です。

●最近のオンライン学会・セミナー・WSで頻出するテーマ

●最近の学会等で頻出する「医療・保健・福祉」のテーマを、質の高い第四の総合的医療面接形態としてオンラインで実施できれば、更なる福音となるのではないでしょうか!
●家族も参加する「オンライン総合的医療面接」が、国が推進する 「ACP(人生会議)」 を広めます!
● オンラインコミュニケーション力を身に着ける 「オンライン総合的医療面接シミュレーション教育研修」 が、益々必要かつ重要になります。
  1. オンラインでは、対面以上に、お互いの顔をしっかり見ていることを意識しましょう!
    • 患者は、対面の時以上に医師の表情をよく見ています。患者の顔を見てくれない医師に対して、親身になっていないとがっかりすることがあります。そして、患者は大切な情報を話せないかもしれません。
    • 患者の表情をよく見ましょう。患者ががっかりした表情の時などは要注意です。患者は直接は言いませんが、何か不安を増幅させているかもしれません。
  2. 共感を表す頷きを大切にしましょう!医師が共感してくれていると感じると、患者は話しやすくなります。
  3. 医師の話す速度や間、声のトーン、ジェスチャーにも気を配りましょう。 患者は、それらにより、医師が患者の話を親身に聞いてくれているか、共感してくれているか を敏感に感じています。
    • ちょっとした抑揚や語尾が、オンラインだと目立ち、かえって気になったりします。
    • わかりやすい速度で、優しく、言葉をかけてもらうと、患者は話しやすくなります。
    • 患者に伝わりやすい声の大きさや、説明を補足するジェスチャーなども患者の理解を深めます。

益々重要性を増す「医療面接トレーニング」

「医療の質への評価が高い病院」は、患者満足度調査において「医療者からの説明など医療面接への評価が高い」という調査結果があります。

患者が病院を選ぶ基準は、医療者の説明内容、説明の仕方、患者・家族への言葉・態度・気遣いであり、

医療専門職の総合的医療面接力が病院経営を左右するという認識、

そして、より良い医療者-患者関係を築くことが医療訴訟を防ぐもっとも重要な要素の一つであるという認識が益々高まってきました。

■診察室の壁の中で起こっていることを研究改善するだけでは解決できない問題は数多くある。しかし、「診察室の壁の中で起こっていること」は非常に重要である。医療面接の場での経験 が、患者の医療のプロセスに対する関心、病院を受診しようとする意思、治療目標へのアドヒアランス、自分の医学的状態に関する知識、そして健康そのものへのモチベーションに強く影響する。

■患者が最初の関心事を述べた後、全ての問題について話し続けるよう促された場合でも、平均の時間は32秒であった。患者が自分の関心事のすべてを話すのに2分以上かかった例は存在しなかった。

■医療面接の時間と患者満足度は相関しなかった。

という調査研究もあります。

「超少子・超高齢・多死社会」「核家族化が進んだ社会」「情報過多社会による医療不信の増加」
 などなど、現代医療が抱える課題満載の中で、「医療面接トレーニング」への要請も幅広く
 寄せられています。

 JaMITAC®は、様々な立場の医療専門職の方が抱える課題解決に幅広く深く対応できますよう、
 オーダーメイドのシミュレーショントレーニングプログラムを提供しています。


多種多様な学習対象者

JaMITAC®式 総合的医療面接訓練7つの力は、様々な組織・機関に携わる多種多様な専門職の方の能力向上をサポートします。

組織・機関 学習対象者
病院 医師・歯科医師・獣医師・薬剤師・保健師・看護師・助産師・臨床検査技師・診療放射線技師・臨床工学技士・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士・管理栄養士・精神保健福祉士・社会福祉士・介護福祉士・臨床心理士・がん相談員・医療安全管理者・医療対話推進者・診療情報管理士・医療事務スタッフ・医療通訳者・看護助手・清掃員・警備員 など
診療所・医療モール・薬局 医師・歯科医師・獣医師・薬剤師・看護師・動物看護師/士・管理栄養士・歯科衛生士・介護支援専門員・事務スタッフ など
介護施設 医師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・臨床心理士・管理栄養士・栄養士・薬剤師・歯科衛生士・介護福祉士・支援相談員・介護支援専門員(ケアマネジャー)・社会福祉士・事務職・厨房職員 など
大学・専門学校等教育機関

医学生・歯学生・薬学生・看護学生・理学両方学生・作業療法学生・言語聴覚学生・栄養科学部学生など

行政機関や病院団体・職能団体 医師・歯科医師・獣医師・専門/認定薬剤師・専門/認定/特定看護師・医療安全管理者・医療対話推進者・がん専門相談員・治験コーディネーター・臓器移植コーディネーター など
各種企業 産業医・MR・MS・研究職・営業職・新入社員 など

学習対象者例:課題解決へ提供する価値

医師・歯科医師/医院経営者:課題解決へ提供する価値

患者・家族が求める「かかりつけ医/歯科医」

■話を丁寧に聴いて、治療方針や今後についてわかりやすく説明してくれる。

■どんな症状の時でも、まず診てくれて、必要に応じて適切な専門医や医療機関等を紹介してくれる。

■患者のことだけでなく家族の事もわかっていて、予防、治療、リハビリなどにわたり、継続的に診てくれる。

■更に一層望むとすれば、何かあったらすぐに連絡がついて、いざという時には往診してくれる。

医師・歯科医師/医院経営者の課題

■増患、集患
■患者さん/ご家族とのコミュニケーション
■苦情/クレーム対応
■スタッフの雇用・育成
■スタッフとのコミュニケーション


受講後の声

自分の姿をビデオで客観的に観ることにより、「事務的、早口、一方的に説明している」 などに気づいた。

医療コミュニケーションも外科手術のように、何度も何度もビデオを観て練習すべきだと思った。

医師と患者のズレに気づくのは両者にとって重要なことであり、そのためにこのトレ-ニングは大いに役立つ。

他者から指摘されるとつい頑なになるものだが、自ら気がつくことで、抵抗感なく現実を受け入れることができる。

医師・歯科医師は、医療訴訟の原因のひとつ、医師・患者間コミュニケーションを良好にして、

■クレームやトラブルを未然に防ぎ、より質の高い安心・安全な医療を提供することにより、

■達成感・充実感・満足感を得て、生涯教育への更なる動機づけを得ることができます。

開業医/歯科医は、患者アンケート結果や自己認識をヒアリングさせていただいて設計した、フルオーダーメイドのプライベートトレーニング体験や、録画映像の会話分析により、

■自らの今を客観的に視ることができます。

■新たに気づいた課題を解決し、患者さん・ご家族、スタッフも “ファン” にして、地域から信頼され選ばれる医療経営が行えるようになります。

録画した対話の状況を分析し、量的データに基づいて質的改善点を示した「会話分析報告書」には、受講者の医師の皆様が深く頷いてくださいます。

「会話分析報告書:質的改善点」例

診察後、患者にきちんと説明されようとしている様子がうかがわれました。

それだけに残念に思われたのが専門用語が多用されている傾向があり、その説明の内容が必ずしも患者に理解されていない印象があったことです。

専門家本人は、なかなかそれが専門用語であると気づきにくいものです。

説明の際には、患者の反応を見て理解の確認をしていくことが、せっかくの説明が全く患者に伝わらず、時間の無駄になるといった事態を防ぎ、伝えたはずの説明を患者が、「聞いていない」と言うなど、後のトラブルを避けるための重要な方策であると考えられています。


薬剤師/薬局経営者:課題解決へ提供する価値

患者・家族が求める薬剤師

■話を丁寧に聞いてくれて、薬の飲み方や効能などについてわかりやすく説明してくれる。

■薬の専門家として、副作用や危険性についての正しい情報を提供したり、必要に応じて医師との間に入ってくれる。

■患者のことだけでなく家族の事もわかっていて、サプリメントなどについても継続的に相談にのってくれる。

薬局経営者の課題

■増患、集患
■患者さん/ご家族とのコミュニケーション
■苦情/クレーム対応
■スタッフの雇用・育成
■スタッフとのコミュニケーション


薬剤師は、超高齢社会のマルチモビディティ時代において、

■薬のプロフェッショナルとして専門性を発揮するための総合的医療面接力を身に付け、

■医師と患者・家族の橋渡し的存在として、地域や在宅医療における活躍の場を拡げることができます。

■患者・家族から信頼され、価値観・生活状況等を把握して、ポリファーマシー・服薬アドヒアランス・処方カスケード等の課題を解決し、処方の最適化に貢献することができます。

受講した薬剤師の声

患者側の知識が向上している時代なので、対応をうまくしないと不信感をつのらせてしまう。そのためこのようなトレーニングを受け自信をもって対応することが必要になる。

薬剤師のたった一言で患者は自分のことを理解してくれたんだって安心するんだなと思った。

患者さんと医療従事者の見方や考え方の違いを改めて感じたし、日頃感じとれなかった疑問や問題点を再発見でき、とても役に立ちました。

自分たちで考え、問題点を把握し、議論することで「気づき」ということの大切さを知った。

SPさんのシミュレーション演技の奥に、患者さんの家庭の事情があったのかとおどろきました。

患者との会話の中で、背景にあるもの、悩んでいること、気になっていることなどを読み取って対応する必要があるということが分かった。とても難しいことだし、実際その場に立ったら自分ができるかは疑問なので練習が必要だ。




看護師:課題解決へ提供する価値

患者・家族が求める看護師

■どのような健康状態でも、「生活の視点」を持って、人生を生きる一人の “人” として総合的にみてほしい。

■あらゆる年代の個人、家族、集団、地域社会を対象として、健康の保持、疾病予防、健康の回復、苦痛の緩和をしてほしい。

■生涯を通してその最期まで、価値観や信念を尊重して、その人らしく尊厳を持って生を全うできるように援助をしてほしい。

教育訓練による気づきや学びから生まれた「行動目標」例

1)初対面の患者さんや家族には、必ず「自己紹介」をしましょう!

2)「丁寧語」をきちんと使うことができるようになりましょう!

3)専門用語を使わずに、目の前の患者さんに「分かる言葉」で
  話しましょう!方言も時には有用です!

4)「ちょっと」など、あいまいな言葉は使わないようにしましょう!

5)「心配」「不安」など、余計な心配や不安を与えかねない言葉は、
  慎重に使いましょう!

6)話す「速さ」や「間」に気をつけましょう!

7)命令口調はやめましょう!

8)患者さんの置かれた状況に応じた「笑顔」で応対しましょう!

9)目の前の患者さんに威圧感を与えない「目線」を心がけましょう!

10)目の前の患者さんの「反応」に敏感になりましょう!

11)患者さんやご家族を、自分や自分の身内に置き換えて「思いやり」
  を持ちましょう!

12)忙しいときほど、「ゆとり」を忘れないようにしましょう!

13)病院の他のスタッフを紹介するときは、例えば「主治医」の○○が
  説明いたします(させていただきます)などと言いましょう!

14)異なる職種間の「理解」を深めましょう!

15)スタッフ同士、注意し合ったり、「褒め合ったり」しましょう!

16)社会人として、自分が働く職場に「誇り」を持ちましょう!

看護師は、患者・家族に寄り添うことができる一番身近な存在として、

■その個別性が高い生活の様子、想い、価値観、信念、要望などを聴き取り、

■効果的にケアする力を養い、

■チーム医療を機能させる重要な役割を担うことができます。

受講した看護師の声

医療者の第一声が、患者さんの気持ちに大きな影響を与えるのだなあと感じました。

自分の姿をVTRですぐ見られて、非常に勉強になりました。

「言葉は丁寧なんですが、説明が分かりにくくて」という感想をいただいて、接遇研修の落とし穴に気づきました。言葉で取り繕うのは無駄であり、相手のこころを打たないと思いました。

患者さんが「分かりました」と言っても、こちらの説明したことの半分も理解されていないことを知り、唖然としました。

私たちが何気なく口にしている言葉も、患者さんには理解できなかったり、そこで信頼関係ができずにいたり・・・ということが分かりました。

従来のマニュアルが、いかに現場で活かされないかを実感しました。



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介護専門職:課題解決へ提供する価値

介護専門職の課題

チーム医療の質を高め地域包括ケアに取り組みたい

■高度な医療を受けている介護対象者の方とご家族にどのようにコミュニケーションを図ればよいのかわからない。

■難病などの特殊な病気や自分がこれまで経験したことのない病気を抱えた介護対象者とご家族にどのように具体的に課題やお悩みをお聞きしていいのかイメージがしにくい。

■地震や水害などの突然の災害時に冷静に落ち着いて避難や救助を行えるよう日頃のコミュニケーションを通じて介護対象者とそのご家族の方との信頼関係を強めておきたい。

「受講者一人ひとりがシミュレーショントレーニング(ST)を体験するワークショップ(WS)」に参加すると

■介護対象者/家族と、介護専門職双方の状況や心情を体験・想像することにより、普段介護対象者やご家族との接点でつまずいていることなど、「ずれ」への認識が深まり、医療コミュニケーション力が身に付きます。

■災害時を想定したシュミレーションでは、とっさの時の身体の動きやどのような言葉が飛び出して来るのかを実際に体験しておくことで万が一の事態へ備えることができます。

■和気藹藹とした中にも程よい緊張感があり、「ビデオレビューポイントをクリックしてインデックス表示した再生映像」を活用した活発なディスカッションと双方向対話型フィードバックによる高い学習効果が得られます。

「一人ひとりがSTを体験するWS」に参加した事務系・技術系職員の感想や行動変容目標など


【「気づいて、変わる!学びのサイクル」 が回りはじめます】
病院という組織で患者さんに向き合っている自らを振り返り、改めて立ち位置を認識

目線、見る高さについて指摘され、よく考えると当たり前ですけど、再確認しました。

相手を見ない、しゃべり方が速い、などの悪い癖を再認識しましたので、変える努力をしていきたいと思います。

エレベーターに乗るとき不自由しているとお聞きしましたので、エレベーターの前に一人でいらっしゃるときは声をかけようと思いました。

患者さんはこんな気持ちで病院に来ているんだっていうことに気づきましたので、その辺がよかったと思います。

患者さんが何を不安に思っているかという聞き上手であることが大事である。心のゆとりを持って対応できればということが大事かなあと思いました。

どんな言葉で接したら患者さんの不安を少しでも取り除けるかということを勉強し、ちょっとしたことが本当に大事なんだなあと感じました。

実際の対応について、外部の方に評価していただいて貴重なご意見をいただいたと思います。表現に注意しながら業務を進めていかなければと思いました。

病院の窓口業務はよくて当たり前とよく言われるんですけども、丁寧にお伝えするのは当たり前で、それプラス患者様の望んでることを察知するということをやっていかないといけないということを実感しました。

早くさばかないとどんどんたまっていくので、患者さんの気持ちを無視した事務処理的な扱いをされているという意見を言われたこともあるので、忙しさにかまけるのではなくて、表情とか言葉に表れない非言語を重要視して仕事に向かいたいと思います。

個人情報について自分があまりにも無知なことに気づいた。自分がわからないことでも相手のいってることを理解しようとする姿勢を忘れないようにするということと、ただ事務的に説明するだけでなくて、親切丁寧を心がけて説明したい。マニュアル通りの対応ではなくて相手に合わせてケースバイケースで自然に対応できるように成長したいと思います。

新患の方が受付にこられたときに、日常業務でやっていてわかっていることを説明することの難しさを知りました。
病院だけではなく社会一般のこととしても大変勉強になりました。


【集合研修であることの意義】
他部門他職種への理解が深まり、目標設定 ⇒ 質の確保 ⇒ 経営の安定

病院で働いているという自覚を持つこと。
外郭職員という気持ちで働いていては仕事にならないということがわかりました。

異なる職種の方々の応対などを拝見することができたので、改めて気づくことが多かったです。
相手を思いやる気持ち、一期一会の気持ちを大切に、今後も接していきたいと思います。患者さんと過ごす時間の間というものを大切にしていきたいと思いました。

ほかの部署の方が患者様に接している姿を見て、相手の話を聞く姿勢というのはとても大事だなあと思いました。

病院全体の流れ、受付など今まで見たことないところの流れを見たことは勉強になりました。普段は患者さんが当たり前にいるというそういう環境に慣れている中で、こういう研修を受けたことで、これからサービス業として患者様を獲得していかないとこれからの時代厳しいかなと思いました。


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訓練プログラム例:学習目標・受講者の声

インフォームドコンセント研修

■ICにおける医師の役割としては、客観的な情報提供と、患者の最終意思決定に対する援助の二つがあると考えられる。ICはプロセスである。そのICにおける医師の誤りの一つは、医師が専門的な情報を一方的に患者に与えることにより、患者が未消化のまま決断を迫られることである。患者は、医師が伝えた重要な内容のうち50%しか理解していないというデータもある。

患者-医師関係は患者の医療に対する意識や性格によって様々な形態をとる。医師がいくら細かく説明をしようとしても、「医師に全ておまかせ」というスタンスの患者もいるし、「検査結果、カルテ記載内容など医師が握っている全ての情報を共有し、自らセカンド・オピニオンも得たい」という患者もいる。

■Emanuel and Emanuel は、医師-患者関係を、①paternalistic model、②informative model、③interpretive model、④deliberative model の4つに分類し、患者の自己決定のみを最優先するような従来の関係に疑問を投げかけている。

■Emanuel らの分類は、日本の現状を分析する上でも役立つものではないかと思われる。日本の医療現場のICは「私は十分説明しました。さあ、決めるのはあなたです」と、患者にとっては時に冷たく突き放されたようにも感じられる ③interpretive model になっていたり、訴訟を恐れて防衛的に、必要以上に患者に情報だけを投げかけるような ②informative model になりがちだったり、ICとは “とる” ものだという偏った解釈のもと、医師という強者の立場から暗黙のうちに承諾書にサインをもらう ①paternalistic model に陥っていたりするのではないだろうか。

■このような状況を考慮すると、まずは患者‐医師関係の多様性や、患者‐医師がどのようなスタンスでどの程度の力関係によって医療上の決断を協力的に下すのかについての十分な理解を得た上で、実際のやりとりについてのスキルを身に付けていくことになる。

黒岩かをる 大西弘高 「共に学び育み合うインフォームド・コンセント」 社団法人 日本内科学会(認定内科専門医会 編)より抜粋

学習目標

■インフォームドコンセントは、「Shared Decision Making」という、医療者と患者・家族が「ともに悩み考えて意思決定する過程」であることを理解しましょう。

■医療者・患者・家族間の認識のズレを意識して、患者さん・ご家族が本当に求めていることを把握しましょう。

■患者・家族は、医師が伝えた重要な内容のうち30~50%しか理解していないことを常に念頭におき、患者さん・ご家族の理解度を確かめながら、話し合いましょう。

■患者・家族の立場に立ち、心理社会的な側面に配慮し、患者さん・ご家族の心情や状況を思いやり、感情に反応しながら説明を行いましょう。

■患者・家族は常に適切な意思表示をするとは限りません。患者さん・ご家族から【選択、判断が本当にその患者さん・ご家族の真の福利に結びつく、適切な自己決定】を導くようにサポートしましょう。

受講した医師・歯科医師の声

医師と患者の “ずれ” は、情報を伝える側と受ける側の認識や知識の差によって生じる。そのずれに気づくのは両者にとって重要なことであり、そのためにこのシミュレーショントレーニングは大いに役立つ。

医療を行っていく上で、医師―患者のよりよい関係を築く基礎となるインフォームドコンセントは欠かせないものである。いかに円滑に行うかは話し方など経験によるところも大きい。その経験を積むという意味で、SP参加の実習を行うことが重要なのではないだろうか。

医師と患者の認識のズレをこの目で見たような気がした。患者が理解し、自分の意思で決定できるという段階までいくのは、本当に難しいことだと感じた。医師として患者のニーズに応えることが重要であろう。医師が患者に話すときの顔の表情や微妙な言葉使いが、非常に患者に反映するものと感じた。治療の十と一の間に揺れ動く患者を、身近な人間として、思いやりを持って接するべきであると感じた。

患者が尋ねていることに、いかに迅速に、的確に分かりやすく説明するかが非常に難しいと感じた。患者からの質問内容は予測がつかないので、常日頃から患者の立場に立って物事を説明できるような考え方をしないといけないと思った。また、患者が主体の医療ということを忘れてしまいがちだと思った。患者を待つ姿勢が大事だと思った。

日頃自分が患者さんやその家族に対して行っている説明はわかりやすいのか、研修を終えた後考えさせられました。一歩離れた立場で見ることができたので、普段何気なく口にしている言葉の中には相手に不信感を与えてしまうものもあるということに気づかされました。

現場に近いものを経験でき、いろいろな角度からインフォームドコンセントについて考えることができました。コミュニケーションの難しさ、説明の難しさを感じたのと同時に、これから考えていかなければならないこと、医師として忘れてはいけないこと(相手の立場に立って考えるというあたりまえにやらなければならないこと)を再認識することができました。ありがとうございました。



リスクマネジメント演習

リスクマネジメントでは、感情に配慮しながら真実を伝えること、真摯に謝罪すること、
目線を同じ位置に保つこと、誠意が表れる表情を保つことが大事です。

■対応をマニュアル化しておくだけではなく、具体的にトレーニングしておくことが重要です。

■とっさのときに身体がどう動き、どのような言葉が飛び出すか、インシデントやアクシデントを患者さんに伝えたときに自分がどう感じ、目の前の患者さんやご家族はどう感じるかを、実際に体験しておくことが役に立ちます。

■このような場面は、ピンチですが、チャンス!でもあります。適切に対応することで、患者さんやご家族からより大きな信頼を獲得することができます。

患者さんやご家族から
より大きな信頼を獲得するための学習・行動目標

●苦情・事故の発生前

1)常日頃から患者・家族との関係を良好に保ちましょう。

2)医師・患者間の「会話の半分以上は伝わっていない、もしくは誤解を生んでいる」ことを日頃から確認しましょう。

3)医療者間のコミュニケーションが円滑に行える職場環境を整えましょう。

●苦情・事故の発生中

4)解決策を探る前に患者・家族の感情を受け止めましょう。

5)医療者の言葉が患者に届くためには「ラポールの確立」が必要です。

そのためにはまずは相手の感情を受け止め、その感情が沸き起こってくる状況を「想像」し、

「想像」したことで自分の中に起こってきた感情を「相手に伝え」、

「伝わったことを確認」し、共有関係ができあがったことを「確認」した後に、ともに解決策を探り意思決定していく「Shared Decision Making」の姿勢で臨むことが大切です。

演習参加者の声

とっさの対応の難しさを実感しました。医療側の考えのギャップも大きいことが実感できました。疑似体験できるというのがすばらしかった。

患者や家族の気持ちを知るいい機会であった。

きびしい現場に最初から対応するのは難しい。イメージトレーニングとしても必要か。

リスクマネジメントは事故防止と思っていたが、発生後まで考えてマニュアルを作っていかなければならないと思った。組織全体で取り組むべきだと思った。

医療の質の確保を通して組織を損失から守ることを目的とする取り組みであるということを再認識させていただきました。

今回の実践で、模擬患者の真に迫った演技で対応にタジタジだった医療者側を見ると、難しさを改めて感じた。医療者の態度、言葉一つでも患者への影響の強さを感じた。

事故が起こった状況を常に考えて、その状況でどのような対応を取れば患者にとっても良いのかを考えていかなければいけないと改めて考える良い機会となった。

急変したり、本来起こってはならないことが起きたとき、患者さんよりも家族への対応が難しいと改めて思った。

医療事故の発生前、中、後の対応策をとることができる「リスクマネジメント」を学んだ臨場感あふれる研修を体験させていただき、心のあるコミュニケーションの必要性を学んだ。

今回は危機感、臨場感が強く伝わってきて、本当に自分が遭遇したときどうするか、を強く考えさせられました。

実際の場面は突然で、取り返しのつかない対応をした後では遅いので、このような練習を繰り返すことは必要と思います。

事故発生時の対応をトレーニングすることで、当事者になったときにどのようにしたらいいのかを学ぶためにも、SP参加型のデモンストレーションを行うことが必要だと思った。書面で学ぶより、気付くことが多いと思った。

現場では許されない事故でもSPでは繰り返しシミュレーションを行うことができ、今までのマニュアル通りに学ぶというのとはまた違い、とても興味深く学ぶことができました。



がん診療連携拠点病院相談員ワークショップ

がん診療連携拠点病院の相談員、医療機関で相談業務に携わっている方へ、
「がん患者・家族からの相談への対応」を学んでいただくワークショップです。

学習目標

■「がん患者・家族からの相談への対応」のポイントを把握する(気づく!)

■「各部署の職員との連携や参考資料の活用の仕方、相談記録のまとめ方」を(学ぶ!)

■明日からの相談業務において即実行できる具体的な行動目標を設定する(変わる!)

相談員ワークショップ参加者の声

模擬患者さんは本当になりきってすごいと思った。医療者の教育にも是非活動してほしい。

真に迫る、患者、家族役の演技、ストーリーがしっかりしていて良かった。その為、実際の面談を見ているようで、勉強に身が入った。

相談者の方の演技が迫真に迫っていた。

一番すばらしいのは、面談の場に出てくださった家族のみなさまと感じた。(本物の家族と思っていただきました!)

患者役の方はすべて演技だったのか。とてもすばらしかったので驚いた。

相談員の方も大変だったと思うが、患者役の演技もとても重要だったと思う。得難い体験を ありがとうございました。

これだけリアルな面接場面を見ることができ、自分の面接を振り返ることができた。

ロールプレイイングは、実際の相談場面を十分表現できており学ぶところが多かった。

相談場面はとてもリアルで臨場感があり、具体的で勉強になった。

実際の面接場面を見ることができてとてもよかった。迫真の演技で思わず入り込んでしまった。

実際の相談と同様の模擬相談形式で行っていただいたので、大変参考になった。このような場面を目にすることがなかったので、本当に感心した。

これまでこんな研修会があったか?理論も大切だが、実践編ということで、すぐに使えるエッセンスがたくさんあり、多くのお土産をいただいた気がする。



病院の全職員一人ひとりがSTを体験する「こころの可視化 ワークショップ®

全員がシミュレーショントレーニング(ST)を体験し、それを材料に話し合うことにより、高い学習効果 が得られます。

学習目標

■全職員が、互いに同じ理念を実現しようとする同志である事を再確認する。

■医療スタッフそれぞれが、自分の態度や言動が患者さんやご家族にどのように受け取られているかを身をもって知る。

■職種間連携や事務的知識の共有の重要性に気付き、チーム医療の重要性を再認識する。

■短期的・中長期的に研修効果の浸透度を把握する。

実施責任者からのお言葉

当院の職員全員がこのような研修を受ける機会を得たことはありがたく、今後の職員の意識を高めるのに有意義であったと考えます。

企画した事務スタッフの声

毎年人間ドックにお越しいただく方が「今年は病院全体が変わったねぇ」とおっしゃってくださいました。
先生方全員に受講していただくのは大変でしたが、患者満足度もアップしましたし、思い切って企画して本当に良かったと思います。

参加した全職種の声

自分へのふりかえりができた
【気づいて、変わる!研修ならではの効果】

日常から行っていることが良いか悪いかを改めて考える時間が持てたことが良かった。

対応した患者様から直接感想が聞けたことで自分にとって振り返る機会を与えていただいたと思います。

自分について反省することは多々あり、また患者様と医療者との思いがこんなに違うのだということを知り、今後の対応の勉強になった。

VTRを自分ですぐに見るというのは非常に良いことだと思った。

普段行っている応対を見直すのに良い機会だった。

管理者としての責任のなさを痛感した。


他部門他職種への理解が深まった【集合研修であることの意義】

全職種の人が一緒に研修できたことが大変良かった。

他部門の日頃の業務がリアルに再現されて問題点が浮き彫りにされよかったと思う。

日頃見ない他部署の説明などが見られて興味深かった。

スタッフの想像以上にまじめな態度にふれて嬉しかったし見直した。過小評価していて申し訳なかった。

色々な職種からの意見が聞けて大変参考になった。

他の医療職の方の対応や考えを聞くことができ、自分を客観的に見れたことは有益だった。


ベクトルが会ってみんなでがんばろうという動機づけ
⇒医療の質の確保⇒経営の安定

自分以外の人を受け入れる事の大切さに気づき、研修後同じ釜の飯を食べたような親近感を持てた。

各職種が集まって時間をとれば、これほどの患者様への行き届いたサービスができることを十分認識し、患者様に対峙する時間およびスタッフ間のコミュニケーションにかける時間を捻出する努力を惜しまぬようにしようと思った。




患者さん・ご家族になってみましょうワークショップ(WS)

体験してはじめて「気づいてわかる」患者さん・ご家族の気持ち

◆患者の性格、人生観、価値観、倫理観など心理社会的背景や知的基盤は一人ひとり違っており、答えはひとつではありません。しかも患者や家族の感情は医療者とのやりとり(コミュニケーション)の中で刻々変化していきます。マニュアル通りには事は運ばないかもしれません。

◆患者・家族役を体験して、医療者としての自分はどうなのかと内省を深めましょう。

研修目的

患者視点での成長実感により医療者の成長を促し、患者・家族、医療者・医療機関、社会、三者満足の好循環を生む。

学習目標

■自己と他者への理解を深め、気づきによる動機付けと行動変容を促す。

■人間の多様性への理解を深め、苦手意識を払拭したり緊張感を克服し、患者・家族の真のニーズに迫る。

■医療者が普段患者さんやご家族との接点でどんなことにつまずいているのかなど、医療者・患者間の「ずれ」への認識を深め、実際の現場に活かすことができる対応力・実践力を身につける。

病院経営塾で患者さんになってみましょう!

参加した医師の感想

経営を考える立場の医師として、相手の話を聴くことの大切さを学びました。

今までの教育システムだと先生がフィードバックを受ける機会が少ないが、こういうやり方だとFBを受けられるので有効だと思いました。


模擬患者になってみましょう!新聞記者版

「模擬患者を演じてみる」

設定された症状や人物像になりきって医師側の問いに受け答えする、「模擬患者」。

医師側にとっては、本物の患者と違って失敗が許され、感想が返されるので、言葉や態度を見つめ直すきっかけになる。

演じる側にも得るものが大きいと聞き、練習を体験してみた。

訴えたいことや聞きたいことはまだあるのに、引き出す言葉を掛けてもらえないと、意外に切り出しにくい。

自分の頭で困った質問だと思っていると、言葉に力が入らない。
完全になりきり、臨機応変にせりふを選ぶのは難しい。シナリオを全て頭に入れるのも大変だ。

患者の不安な気持ちや医師に求められる態度の一端が、より具体的に見えた気がした。


「リスク対応をテーマとした患者・家族役体験WS」
参加者の声

教育一般に適用できる。

相手の立場に立って考えることをどうすれば気づくことができるか考えることができた。

実際の診療の現場でも起こりえるリアルなやり取り、心理状態。

背景がない前提で行うコミュニケーションが多い、ということに気づいた。

シミュレーショントレーニングの実際を見て、必要性を感じた。

医療を受けている立場になると提供する側とは異なる感じ方ができる。実際に体験しないとわからないことがある。

どこかで見たような場面があり、自分や周囲にありえること。足下を見つめなおさなければと思いました。

家族の心理を実践してみることで理解できた。

ただ見るだけではなく、体験することが一番だと思いました。

立場に応じた心情がわかるようになった。患者の立場を改めて確認できた。

常に相手が何を求めているかを考えながら言葉を選ぶ。

頭でわかっていると思っていることを行動することは難しい。患者・家族の思いをわかっていると思い込んでいる自分があった。本当はわかっていない。

実際にやると感情が沸き起こってくるもので、体験してよかった。医師職以外もクレーム対応でよくあること。自分の責任感を見つめなおす機会となった。

第一声が大事だと痛感した。明日からのクレーム対応に活かしていきたい。

言い方のひとつで、患者さまは、快にも不快にも感じるんだとつくづく感じた。

実際にありがちなこと。その一言があるのとないのとでは全く違うし、普段からの信頼関係が大切。

提供する側と受け取る側では全く違うなと改めて感じた。この気づきを現場でどう活かしていくかだが、相手の中に巻き込まれても上手くいかないこともよく分かった。

受け止め方はそれぞれ違う。色んな職種に色んな研修に参加してもらい、視点を変えることによって自分の立場を見つめなおすことが大事だと思った。

相手の気持ちを分かるようになるには、私がどうこういうよりも、その人たちに体験してもらうのが一番だと感じた。

リスクコミュニケーションのマニュアル作成目的で参加したが、マニュアルがいかに活かされないかということ、やはりスタッフひとり一人がこのようなWSを体験することが大事だなと改めて思った。


模擬患者を体験した医学部2年生の感想

役作りの過程でおもしろかったことは、あらゆる質問に答えられるようにその人自身を詳しく作り上げてなりきること。紙の上の症状を暗記すればいいというものではない。例えば、職業、妻との出会い、趣味などを想像して作るのだ。そして、患者さんとしてふさわしい言葉を使い、病気のことも分からないし、専門用語もさっぱり分からないといったふうに演じる。学年が上がるにつれて、だんだんと失っていく患者としての感覚を思い出させてくれるのではないだろうか。




企業の新入社員研修カスタマイズ版

顧客(患者・家族・医師)を知る、医療現場を仮想体験するワークショップ

学習目標

ミッションステートメントを実践するための「想像力」「感動力」「対応力」「応用力」「表現力」「言語化能力」など総合的なコミュニケーション能力を養成するために

研修内容

■「医療現場を知っている先輩」の話を聴く

■「医療現場における顧客(患者・家族)」の立場に身を置く

■「医療現場における目の前の顧客である医師」との医療面接を体験する

■「医療現場で医療経営企画に携わっている医師」の話を聴く

受講者の気づき

■当たり前のことを噛み砕いて話す難しさとその重要性が分かった。

■医療従事者と立場の違う患者・家族の目線を養え、
ずれの発生の予防及びニーズの違い、優先順位の違いが分かった。

■同じ会社の他人がどんな進め方を実施しているか、理解できた。

■医療従事者の立場で、新製品を考える事ができた。

(1)自分以外の相手の業務(実施内容)が分かる
(2)その業務の難易度が分かる
(3)その立場の方のワークプロセス(環境変化)が分かる
(4)課題が発生する仕組みが分かる

相手を想像する力が養われ、問題の本質がわかるために、
対応のベストプラクティスが再現性を持って実施できる。


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